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 女優の吉高由里子(24)が25日、来年前期のNHK連続テレビ小説「花子とアン」(2014年3月31日スタート、月~土曜・前8時)のヒロインに決まり、都内で会見を行った。小説「赤毛のアン」を翻訳した村岡花子の人生を描いた物語。「赤毛のアン」を知らないとぶっちゃけた吉高は「緊張で汗びっしょり。私に“朝の顔”が務まるのか不安」と冗談交じりに笑うなど不思議モード全開。朝ドラに新風を吹き込む。

 吉高節全開で会見場は笑いに包まれた。一流の女優を輩出している朝ドラのヒロインに起用されたことに「とてもハングリーなヒロインなので、自分もハングリーになって“吉高したたか”と言われるくらい、役に食らい付いていきたい」と独特の表現で強い決意を示した。

 赤のワンピースで登場すると「お手柔らかにお願いしますよ」とまず取材陣をけん制。「赤毛のアン」を読んだ感想を聞かれると「正直、読んでません…。さっき、本を渡されて、けっこう分厚いな」と苦笑した。「ヒロインに共感する部分は?」との質問には「難しいこと聞くなぁ。目の前のことに没頭することですかね」と、苦しまぎれの回答でまた笑いを誘った。

 「赤毛のアン」を翻訳した村岡花子は明治26年、山梨・甲府の貧しい家庭に生まれ、東京の女学校で英語を習得。関東大震災、太平洋戦争などを乗り越えた不屈のヒロインだ。アン同様に夢と希望を忘れず、波乱万丈の人生を送った花子の10代から50代を吉高が体当たりで演じる。

 映画「横道世之介」、ドラマ「ガリレオ」などの演技を認められ、白羽の矢が立った。加賀田透チーフプロデューサーは「幅広い役柄を演じる力があり、個性を発揮できる広がりのある女優」と起用理由を説明。「花子とアンの共通性を表現してもらえれば」と期待を寄せた。

 吉高のヒロイン起用は5月上旬に決まったが、NHKは徹底した情報管理を行い、極秘扱いに。吉高は家族にさえ、知らせていなかったそうで「両親とおばあちゃんが大好きな朝ドラに出られるなんて、夢みたい。親孝行ができて良かった」と笑った。11月にクランクインを迎え、約10か月という長丁場の撮影に入る。

 ◆赤毛のアン カナダの女性作家・モンゴメリが1908年に発表した長編小説で原題は「アン・オブ・グリーン・ゲイブルズ」。孤児院で育った赤毛の少女、アン・シャーリーが11歳で裕福な家庭の里子となり、たくましく成長していく物語。52年に村岡花子が翻訳し、邦題を「赤毛のアン」とした。